空はどこまで見えるのか、およそ350キロメートルほど遠くまで見える、雲の動きと天気予報
どれぐらい遠くの空まで見えるのか計算してみましょう。
以下の図のA地点は地表面の一点で、ここからBの方向に見るとします。
地球の表面との接線をABとします。
雲が発生する対流圏の高さBCを10kmとし
対流圏の上限に視線が交わる点をBとします。
地球の半径をrとします。
見渡せる距離をxとして求めてみましょう。
ピタゴラスの定理より
x の2乗 + Rの2乗 = (r + 10)の2乗
これを解くと
x = ルート(20 r + 100)
r=地球の直径=6371を代入して
x = ルート(20 x 6371 + 100) = ルート(127430) = 357km
となります。
つまり357km先の雲まで見えるということになります。
その雲の真下までの距離yは、同様にピタゴラスの定理より
356kmとなります。
これは直線距離なので地表面での距離は円弧なので少し長くなります。
例
東京を中心に257kmの範囲が以下の緑の区域です。
・雲の速さ
雲の速さは、大気中の風の影響を受けて変化するため、場所や高度、気象条件によって異なります。一般的に、低い高度の雲は高い高度の雲よりも速く移動することがあります。また、風の速度が強い地域では、雲も速く移動する傾向があります。
雲の速さは、大気の上層部と下層部の風向や風速の差、地形、気象系、季節などに影響を受けます。例えば、前線が近づいている場合や、低気圧が通過する際には風が強まり、雲も速く移動することがあります。
日本では、高層の風の影響を受けるため、雲の速さは比較的速いとされています。一般的に、平均して時速約40〜80キロメートル程度の速さで雲が移動することがあります。
冬季にはシベリアからの冷たい風が吹き込み、風が強まることが多いです。このため、冬には雲の速さも速くなることがあります。一方、夏季には熱帯性の気団が影響を及ぼし、風が穏やかになることが多いですが、これも地域によって異なります。
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、日本全域での平均速度を特定することは難しいことを理解しておいてください。気象状況や風の影響は非常に複雑で、状況によって異なるため、正確な平均値は特定できません。
以上のことから、仮に雲の速度が時速50kmとしたとき、350km先の雲は、7時間で到達するということになります。
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