宇宙の膨張、発見から100年

以下↓↓くわわさんのお話

今年2022年はどんな年になるのだろうと、科学史年表を見ていたら、宇宙の膨張が発見されてから100年になることを知りました。それについてまとめてみました。
現在、宇宙が膨張している、という話を聞いたことがあるでしょうか。この「宇宙の膨張」の発見には観測的なものと、理論的なものがあり、100年前に見つけられたのは理論としての発見です。

1922(大正11)年、ロシアの数学者アレクサンドル・フリードマンは、1916年に発表されたアインシュタインの一般相対性理論の「場の方程式」を解いてみました。これは宇宙空間の曲がり具合(曲率)を求める数学的に難解なものです。そうすると宇宙は膨張するか、収縮するかのどちらかになる、というのです。宇宙が膨張するか、収縮するかは、宇宙に含まれる物質の密度によると考えられました。この結果は同年、ドイツの物理学会誌に発表されました。
当時考えられていた宇宙は、見た通りの静的で変化がほとんどない宇宙です。ところが理論が示した宇宙は、そのような安定した宇宙ではなかったのです。
このフリードマンの宇宙モデルは、宇宙論に新たな観点をもたらしました。動的な宇宙の可能性を示したのです。
フリードマンは1925年、37歳の若さで没しています。

実は相対性理論を作り上げたアインシュタインもそのことに気付いていました。
一般相対性理論を発表した翌1917年、アインシュタインはこれを宇宙に適用してみました。すると宇宙は物質の引力によって収縮し、短い時間でつぶれてしまうのです。なにしろ宇宙には、大局的に見ると、引力を生みだす物質しかないのですから。
そこでアインシュタインは、反発力(斥力)を表す項を方程式に付け加えました。空間のなかに引力に対抗する力を仕込んだのですね。いわば真空の持つエネルギーです。こうして宇宙は理論的に安定した宇宙、いわゆるアインシュタインの静的宇宙モデルが完成したのです。アインシュタインが付け加えた項は「宇宙項、宇宙定数」、あるいは使われている記号から「Λ(ラムダ)項」と呼ばれました。

ところでフリードマンが解いた方程式は、宇宙項が含まれていないものです。1927年、ベルギーの神父ジョルジュ・ルメートルは、宇宙項の含まれる数式を解いてみました。そうすると宇宙項があっても、宇宙は膨張することがわかったのです(ルメートルの膨張宇宙モデル)。
アインシュタインは、それでも静止宇宙モデルを放棄せず、ルメートルの説明に対し「あなたの計算は間違ってないだろうが、そんな解を信じるあなたの物理的見識は忌まわしい」と突き放したそうです。

アメリカの天文学者エドウィン・ハッブルは、口径2.5メートルの反射望遠鏡を駆使し、多くの銀河の後退速度を観測しました。そして1929年、遠くの銀河ほど速い速度で遠ざかっている、という「ハッブルの法則」を発表しました。これはまさに宇宙の膨張が「観測的に発見」されたのでした。これを知ったアインシュタインは、「(静的宇宙を実現するため)宇宙項を導入したのは人生最大の不覚だった」といったそうです。そして宇宙項のないフリードマンの宇宙モデルを受け入れたそうです。

・科学と社会
1900年代の初めから約30年、ヨーロッパでは、プランクの量子の発見からミクロの世界を解明する量子論が発展しました。同時にアインシュタインの相対性理論によって、マクロの宇宙の時間と空間が科学の対象となりました。人類の視野が大きく広がった時代といえるでしょう。

この間、1914年から1918年にかけてヨーロッパを中心に第1次世界大戦が勃発し、飛行機や毒ガス兵器など科学の成果を戦争に用いることが、いかに悲惨な結果を招くかをみました。しかしこの教訓は生かされず、1939年、第2次世界大戦が勃発します。
1945(昭和20)年、広島と長崎に原爆が落とされ、第2次世界大戦は終結します。

〔付記〕
さて、宇宙定数については続きがあります。
1998年、宇宙の遠方の銀河を研究していたアメリカの2つのチームは、その明るさの傾向から、宇宙の膨張が加速していることを独立に発表しました(後にともにノーベル賞)。宇宙の膨張を加速させているのは、宇宙空間に含まれる「真空のエネルギー」によるものとされます。この真空のエネルギーこそ、アインシュタインの導入した宇宙定数と、数学的には同等のものだったのです。
導入した本人が不要だと取り消したにもかかわらず、宇宙定数は物理的実体として復活し、今なおその正体が不明なため「ダーク(暗黒)エネルギー」と呼ばれています。

現代の宇宙論では、宇宙全体の76%はダークエネルギー、20%はダークマター(暗黒物質:視覚的にはとらえられないが引力を及ぼす存在)、そして残り4%ほどが通常の物質と考えられています。
つまり、私たちが宇宙と認識している太陽と惑星・衛星たち、星々や星間ガスが構成する銀河、銀河群・銀河団などは、すべて合わせても宇宙全体のわずか4%だというのです。
これが近代科学400年におよぶ宇宙研究の成果です。面白すぎます!

それにしてもアインシュタイン、100年以上にわたって物理学の世界を牽引してきた発想と科学的成果「相対性理論」には「すごい」というしかありませんね。

宇宙全体のエネルギーの割合がおもしろい。

真空のエネルギーが70%以上。

この真空エネルギーって昔のエーテルエネルギーを思いだしますが

調べたらこんなのがありました↓

「これから100年後には、真空こそ宇宙の真の土台であることが知られるようになるでしょう。渦巻く真空が物質となるのです。電子は基本的な粒子ですが、これも真空の渦なのです。……質量を持たない連続体であり、非粘性で圧縮することができない真空こそ、物質のあらゆる性質の元なのです。……エーテル理論は復活しなくてはなりません。そうすることで、物理学、形而上学、スピリチュアリズムを深く理解できるようになるでしょう」(テワリ氏)https://www.excite.co.jp/news/article/Tocana_201811_post_18814/

 

まだまだ宇宙は広すぎて未知なることに満ちているのですね。

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